透析レストラン・・・スタッフ日記

透析食配信サイト「透析レストラン」 そのスタッフが綴る「食」に纏わる日記帳です。

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続「日本人の食事摂取基準2010年版」より~透析に関係が深い「多量ミネラル」について~

日本人の食事摂取基準2010年版

日本人の食事摂取基準は、健康な個人または集団を対象とし、エネルギーや各栄養素の基準を示したものです。
前回、前々回の「透析レストラン」で、見直しのポイントと「多量ミネラル」(ナトリウム・カリウム)について書きましたが、今回は、「多量ミネラル」の「リン」です。

○ リンについて
成人の生体内には最大850gのリンが存在し、その85%が骨組織、14%が軟組織、1%が細胞内、細胞外液及び細胞膜に存在しています。
血清中のリン濃度の基準範囲は、0.8~1.6mmol/ℓと広く、食事からのリン摂取量の増減がそのまま血清リン濃度と尿リン排泄量に影響します。

食事摂取基準2010年版では、リンの目安量を、18歳以上の男性は1000mg、女性は900mgと策定しました。
平成17年及び18年国民健康・栄養調査によると、リンの摂取量中央値は970mg/日です。リン摂取量がもっとも多いのは、12~14歳の男子で1243mg/日となっています。ただし、この調査では加工食品に添加されているリンの量は加算されていないために、実際の摂取量はさらに多いと考えられます。
1歳以上については、アメリカ/カナダの食事摂取基準を参考に、平成17年及び18年国民健康・栄養調査の摂取量中央値を目安量としました。

また、食事摂取基準2010年版では、血清無機リンが正常上限量になるリンの摂取量を健康障害非発現量と考えることとし、リンの成人耐用上限量を3000mg/日と策定しました。
リンの吸収率を60%と見込み、血清無機リンの正常上限を4.3mgl/dℓ、リンの分子量(30.97)を用いると、血清無機リンが正常上限となる摂取量が3686mg/日となります。これを健康障害非発現量としました。これに不確実因子を1.2としてあります。


2009/01/12 「透析レストランスタッフ日記」に、第12回病態栄養学会で「ヒトにおける食事性高リン負荷による血管内皮機能障害」についての研究発表を聴いてきたことを書きました。
ここでは、高リン食により、血清リン濃度の増加が、健常者においても血管内皮機能障害を引き起こすことが示されたと報告されています。

今までは、「リンは、多くの食品に含まれており、摂取量が不足することは少ない」というとらえ方でしたが、耐用上限量が設けられ、日本全般がリンに少しでも注目が集まることを期待します。

食事摂取基準2010という、堅い?固い?内容を3回続けて書いてきました。
「透析レストランスタッフ日記」で上位にヒットしている中に、炭酸ランタン水和物、沈降炭酸カルシウム錠、高血圧治療ガイドライン2009、を書いているものがあります。
このサイトを訪れてくださっている方は、ちょっと硬めの内容も知りたいのだと思い、3回シリーズで書きましたが、肩凝りました。

ご高名な先生のお話をお聴きすると、難しい内容をとてもわかりやすくお話してくださいます。私が目指したいところです。
今後、食事摂取基準2010をしっかり理解した上で、患者さんたちに、わかりやすくお話をしたいと思います。


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  1. 2009/10/28(水) 23:49:50|
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「日本人の食事摂取基準2010年版」より ~透析に関係が深い多量ミネラルについて~

日本人の食事摂取基準ブロック別講習会

栄養素については、摂取不足からの回避を目的に「推定平均必要量 EAR」と「推奨量 RDA」を設定し、これらを設定できない栄養素については、「目安量 AI」を設定しています。

最近は、サプリメントが広く利用されている状況を考慮し、過剰摂取による健康障害を未然に防ぐことを目的に「耐用上限量 UL」(tolerable upper intake level)を設定しました。

「耐用上限量」については、「この値を超えて摂取すると潜在的な健康障害のリスクが高まる」という領域で、「上限量」からの変更です。

透析に関係が深い、「ナトリウム」「カリウム」「リン」について食事摂取基準2010年版よりピックアップし、少し、私見を書き加えたいと思います。

2005年版では、ナトリウムとカリウムは無機質という分類で、リンはミネラルという分類でしたが、2010年版から無機質という言葉は使われなくなりました。
ミネラルは、多量ミネラル・微量ミネラルの2種に分けました。
文章に書くと、分かりにくいですが、「食事摂取基準で策定した栄養素と設定した指標」(1歳以上)の表が一目瞭然です。(日本人の食事摂取基準 2010年版 6ページ)

○ ナトリウムについて
2010年版における食塩の目標摂取量は、成人男性で9g/日未満、成人女性で7.5g/日未満となりました。
2010年版における目標量の設定に際し、男性では、もっとも摂取量の高い50~69歳群の12.2g/日と高血圧予防指針の6g/日との中間値である9.1g/日を根拠としました。
女性では、成人の各年齢層において男性より摂取量が1~2g/日低いことから、男性より1.5g/日低い値を設定しました。

透析を受けている方の食塩は、6g/日未満です。
実際にはなかなか実現困難な数値ですが、摂取基準が低くなり、日本全般が減塩に向かうことは、嬉しい傾向だと思います。

○ カリウムについて
食事摂取基準2010年版では、国民・健康栄養調査におけるカリウム摂取量の中央値を参考に成人男性の目安量を設定しています。
成人女性の目安量に関してはエネルギー摂取量の違いを考慮して設定しています。
目安量は男性で2500mg/日、女性で2000mg/日と、2005年版の目安量より、それぞれ、500mg/日および400mg/日高くなりました。

アメリカ高血圧合同委員会第6次報告は、高血圧予防のためカリウムを3500mg/日摂取することを推奨しています。
日本人においても、カリウムを増やすことが望ましいと考えられていますが、実際には、平成13年国民栄養調査と平成18年国民健康・栄養調査におけるカリウム摂取量を比較すると、低下しています。

透析を受けている方は、カリウムはとりすぎ危険です。
しかし、日本全般は、カリウムを多くとりましょう!です。
カリウム強化食品が発売される可能性に対する懸念があります。

たとえば・・・
1パック カリウム1000mgも含む野菜ジュースもあります。
野菜ジュースにおけるカリウム含量は、多くなっている傾向にあると思います。

くれぐれも、表示をよく見ましょう。

リンについては、後日・・・・
(また、勝手にプレッシャー)


今回と前回の「透析レストランスタッフ日記」は、
日本人の食事摂取基準 [2010年版] 第一出版
臨床栄養 Vol. 115 No5 2009. 10 医歯薬出版株式会社
ヘルスケア・レストラン 2009.9 株式会社 日本医療企画
を参考にさせていただきました


  1. 2009/10/20(火) 23:20:01|
  2. 学会・研修会
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「日本人の食事摂取基準2010年版」の講習会に行ってきました

東京ビッグサイト内

日本人の食事摂取基準は、健康な個人または集団を対象とし、国民の健康の維持・増進、生活習慣病の予防を目的として、エネルギーや各栄養素の基準を示したものです。 

厚生労働省では、昭和44年に「日本人の栄養所要量」を策定以降、5年ごとに改定を行っています。2005年には、「栄養所要量」を改め「食事摂取基準」となりました。

2010年度版は、平成21年5月に厚生労働省から発表されましたが、平成22年から26年の間使用されるため、現在全国各地で普及啓発の講習会が開催されています。

私は、さわやかな秋風そよぐ10月4日(日)、東京ビッグサイトの講習に参加しました。
会議棟レセプションホールは、1100名もの関係者が集まっての講習でした。

国際展示場から東京ビッグサイトへ       東京ビッグサイトからの風景

          
2010年度版の見直しのポイントは、以下の3点です。

○ 科学的根拠に基づく理論と数値の見直しを行う
国内外の最新の学術論文等を最大限に活用
2005年版は、約900本に対して、2010年度版は前回を上回った約1300本

○ 活用の基礎理論を整理する
各種栄養業務に活用することをねらいとし、「食事改善」と「給食管理」において留意点を検討

○ ライフステージについてとりまとめる
特別の配慮や活用における留意点が必要な「乳児・小児」「妊婦・授乳婦」「高齢者」について検討


今回は、変更ポイントだけを挙げましたが、次回は、透析を受けている方にとって関係が深いミネラルについて書きたいと思います。


次回は・・・と「スタッフ日記」に書きつつ、すぐ次回を書かずに勝手に自分でプレッシャーを感じている秋の夜長であります。

マンナンを使っておいしい味付けご飯を炊いたのですが、まだ画像整理してなくて・・・
秋はイベントが多いのでそちらの業務を日常業務と並行して必死でこなしつつの毎日であります。


  1. 2009/10/19(月) 23:43:36|
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